オンラインコミュニティについてもっと知りたい!「オンラインコミュニティの価値のつくりかた」に参加してきた。

11月15日(金)久々に夜の街に繰り出したまめなり代表の上澤です。
事務所も自宅も武蔵野市なので、都内で夜に開かれるイベントに出かけるのはなかなかハードルが高いですが、WaseiSalonの長田さんが登壇される、オンラインコミュニティのイベントということで、えいや!っと参加してきました。

大手オンラインコミュニティの運営にかかわる登壇者の方々から生の声を聴くことが出来て、とても刺激ももらえたし、 まめなりもリモート体制に移行することもあり、 いろいろと試してみたくなる内容盛りだくさんでした。

もくじ

『オンラインコミュニティの価値のつくりかた』について

ちょっと前からオンラインコミュニティとかオンラインサロンとか聞くようになってきたのではないでしょうか?
最初はインフルエンサーと呼ばれるネットで影響力のある人たちがその人を中心に学びを得るとかそうした形で始まったように思います。それもあって、「オンラインコミュニティ(サロン)ってなんか怪しくない?」という感覚の方は結構多いのかもしれません。

そうした一人の人物を中心としたオンラインコミュニティから、理念などを中心にあつまるものへと徐々にシフトしている印象があります。

オンラインコミュニティを運営する当事者の方々が集まるイベントが恵比寿で開かれるということで、足を運んでみました。
会場には20数名の方々が集まり、和やかな雰囲気でイベントはスタート。

オンラインコミュニティの価値のつくりかた


登壇者は次の4名の方々。
ファシリテーターは赤松翔(もんざえもん)さん( @akamatsusho )。
キングプリンターズに勤める傍ら。サイボウズ式第2編集部の運営、前田デザイン室Waseisalonに所属されています。

F太さん( @fta7 )。
ひらめきメモの中の人。ねこかと思ったら人間だったフォロワー11.2万を誇るアルファツイッタラー。ライフエンジンの運営をなさっています。

長田涼さん( @SsfRn )。
Waseisalonの運営、T4 TOKYO渋谷をつなげる30人などのコミュニティマネージャーを務める「コミュニティフリーランス」。

最後に綿引裕也(こっとん)さん( @cotton___3 )。
今回のイベントの発起人で、箕輪編集室の運営をされるコミュニティデザイナー。

という、豪華メンバーでのトークイベントでした。
当日はTwitterで「#オンコミュの価値」というハッシュタグをつけて質問を受け付けたりしておりました。そのハッシュタグをKatsuno_Kさん( @ktnr181 )がtogetterにまとめてくださいました。助かる!
ファシリを務めてくださった赤松さんの事前のnoteからまとめて下さっていて、これを見るだけで流れが把握できます。

オンラインコミュニティの価値とは?

オンラインコミュニティの価値として、みなさん上げていたのが「(居心地のいい)居場所」。
F太さんはQOLの向上と表現されていましたが、同じことを指しているのではないかと思いました。

家庭・会社に次ぐ「サードプレイス」としてのコミュニティにオンラインコミュニティはなりうるのではないか?
希薄になりつつあり家庭というコミュニティ。
仕事を中心とした集まりで何かとストレスを受けることのある会社というコミュニティ。

そしてサードプレイスとしてのオンラインコミュニティ。
その理念などを元に集まった人たちは思想や思考の近い人たちが集まり、緩やかなつながりや利害関係の無さから居心地の良さを得ることが出来るのかもしれません。

個人的には地域などのコミュニティもサードプレイスとして成り立つのではないかと思いますが、若い世代の方々には地域よりオンラインの方が親和性が高いのだと思います。

オンラインコミュニティが居場所となるような運営

オンラインコミュニティを運営する皆さんもそうした価値を考え、より場の質を高める努力をされているようです。
発言への返信やスタンプなどを率先してつけたり、返信も否定から入らないようにしたり、意見の押し付けにならないようになど、新しく入ってきた人たちに対してのフォローや既存メンバーも含め発言をしやすくするように場を作っているようです。

箕輪編集室では日直スレがあるそうで、入ったばかりの人にライトな役割を与えることで、発言をしやすくする工夫をしています。日直の仕事は新しく入った人にレスをつけることと、その日のランチをアップすること。同期という感覚も大切なもののようです。

ライフエンジンではMattermost(Slackのクローン)を使っているそうで、個人チャンネルというメンバーの日記のようなチャンネルがあるそうです。

面白いなと思ったのは前田デザイン室にあった「必要のない情報共有スレ」。
必要のない情報と言っているけれど、その日の体調や気持ち、興味、感じたことなどをリアルタイムで共有出来る場所ということで盛り上がるようです。
体調や気持ち(モチベーション)の共有はとても大切で、まめなりのSlackでも取り入れていきたいと思います。リモートになると、そうした機微の把握はちょっと難しくなるので、そこはなるべく自己申告しつつフォローができるようにしたい。

それぞれのコミュニティの課題とその解決

各コミュニティとも様々な課題があるようです。
その中でも運営と参加者の関係が気になりました。
箕輪編集室のこっとんさんが上げていたように、役職が固定化すると新陳代謝が起こらず全体的に疲弊する。これは自分が参加している場所でも同じような感覚があります。

その一つの解決として、前田デザイン室の例が面白かったです。
おおよそ半年くらいで運営メンバーが変わるのだそうです。通常運営のチャットのようなものは非公開な場合が多いようですが、前田デザイン室ではオープンになっていて、参加者はだれでも閲覧できるようになっています。そのあたりも全員が参加者というより、コミュニティを運営するメンバーという意識を持ちやすく、お客様化しない仕組みなのかもしれません。
しかし、それは参加している人たちの質がとても大切な気もします。

参加者の質といえば、長田さんの所属するWaseisalonは参加へのハードルが他に比べて高いです。オンラインコミュニティの参加ハードルといえば通常はその参加費ですが、Waseisalonの参加費は2000円しません。
その代わり参加へのステップが多いです。
まず、参加前に確認するAboutページが長い。コミュニティの理念や行っていること、メンバーなどがきちんと説明されています。そして、その後参加申し込みフォームになりますが、そのフォームも文章を要求されます。
最後にWaseisalonが主催するイベントへの参加が条件となり、そこからWaseisalonにふさわしいか判断されて、問題なければ晴れてコミュニティに参加することが出来ます。

箕輪編集室で参加費無料をやったそうです。通常100人前後の参加者がその月は400人を超えたものの、結局そこで参加した人たちは根付かなかったようです。

参加ハードルを上げることは運営を継続するためには大切なことなのかもしれません。
たくさん集めることが大切なのではなく、参加している人たちがある程度共通の認識を持てていることで 居心地のいい居場所を構築できるのかもしれません。

自分の望む人と出会えるコミュニティ

様々なコミュニティとそこに参加する様々な人たち。
今までになかったコミュニティの形としてオンラインコミュニティが盛り上がっています。
そこにはリアルの関係とちょっと離れた、また別の関係性を構築できるのが魅力なのかもしれません。

求められるのは、人と人との交流です。
オンラインコミュニティはその自分が関わる人を選択できることが良いのかもしれません。
そのコミュニティの特徴と参加ハードルにより、自分の求める人と出会える確率が通常のコミュニティよりも高いのかもしれません。

超詳細なレポートをりんさんがあげてくださっているので、詳しい内容はそちらをご覧ください。

上澤進介
1999年多摩美術大学美術学部建築学科を卒業後、設計事務所、デザイン事務所をへて、2005年4月フリーランス(屋号「くりぬき」)として独立。2008年6月3日、株式会社まめなり設立。現在に至る。 二児の父。地域活動に関心をもちコミュニティ活動に関わる方々と学びを深めている。