「保護者が○○と言っている」と言ってもらえるように。「6月からの授業のあり方 」参加レポート

まめなり代表の上澤です。
今回のブログは会社の業務とは直接は関係ありませんが、ぜひ様々な方に知っていただきたいと思い記事にしました。

2020.5.27(水)20:30から開催された「学校再開直前!6月からの授業のあり方 〜withコロナ時代の対話的な学習とは〜」に参加しました。その備忘録として記事に残しておきます。
このイベントはZoomを使用してのウェビナーですが申し込みの時点で1900人越え!同時接続者も確認していた段階では1000名を軽く超えていました。
オンラインだからこそあり得たイベントだったと思います。

先生たちの生の声とその気持ちを知れただけで参加した意義はとてもあったと思います。
学校の対応を待っているのではなく、子供たちのために親である自分たちも主体的に動いていこうと思えるイベントでした。

Twitterでも「#withコロナの学び」というハッシュタグでたくさんの方が実況をしていましたので興味がありましたらこちらもご覧ください。

もくじ

なぜ教育系のイベントに?

今年の春から息子が小学校に入学しました!
めでたい!と思っていたのですが、新型コロナウィルスの影響で入学式とその翌日に登校して以来、小学校は休校です。

そんな中、武蔵野市の保護者有志で行ったオンライン学習に関するアンケートに有志メンバーとして参加しました。
せっかく息子が楽しみにしていた学校生活が、学校から配られるプリントを主体とした家庭学習だけで過ぎていくことに疑問や焦燥感を感じての行動でした。
1500件を超える回答をいただき、市へもその意見を提出することが出来ました。
ご回答くださった皆さんありがとうございました。

アンケートの結果に関してはFacebookページをご覧ください。
報告書のデザインなどさせていただきました。

その後もBeYondLaboが行う「むさしのオンラインしょうがっこう」に参加したり少しお手伝いしたり、個人的にZoomで親子の交流会を開催したりしていました。

そして、5月25日に緊急事態宣言が解除されました。
いよいよ学校も6月から分散登校で改めてスタートです。

しかし、緊急事態宣言は解除されたものの新型コロナウィルスが消え去ったわけでも、ワクチンが開発されたわけでもありません。
少しづつ進みだしたオンライン学習への歩みもこのまま無くなってしまうのでは?と少し不安に思っていました。

そんな折、BeYondLaboの二川さんが登壇するイベントがあるとFacebookで知ります。
それが今回参加した「6月からの授業の在り方」というイベントでした。
6月から本当にどうなるんだろう?そんな気持ちでえいや!っと参加してみました。

第一部は3人の先生たちの取り組み

一人目は 小金井市立前原小学校 蓑手先生

「学びに自由を」というシュプレヒコール!
元々進めていたはずの学校教育へのICT導入をコロナを理由に止めてはいけない。
そして、入学の時は勉強への期待でワクワクした気持ちの子供たちが卒業するころには「勉強嫌い…」となってしまう。

「学びの楽しさを取り戻す!」

そして、具体的にどう楽しさを継続していくのかの取り組みの紹介などをしてくださいました。
SchoolTaktの導入やマインクラフトやどうぶつの森などのゲームも積極的に表現として取り入れているのが印象的でした。

オンラインに関して必ず出てくる「不公平」というワード。
オンライン環境がない側がピックアップされがちですが、オンラインで学びたい!という子たちの権利を制限することも不公平ではないか?というのは目からうろこでした。
学校教育の目標は公平さではなく、ひとりひとりにあった学びを提供すること!

新型コロナによって「日常」は「非日常」となり、その非日常は終わりに向かっています。そのあと来るのは今までの日常ではなく「シン日常」だと蓑手先生は言います。

旧来の学校に加えて、N高等学校の様なオンラインを主体とするオンラインスクールを各自治体に1校置いてみてはどうかとの提案。
これはとてもいいなと思いました。学びの多様性を実現する一つの方法だと思うし、そこで得られたノウハウは通常の学校にも還元される。
今まで放置されがちだった不登校児や病児、支援学校に通う子たちにも別の選択肢を提示できると思います。

最後は 「教育が人を選別すべきでない。人が教育を選別すべき」というメッセージでした。
とても共感できるメッセージです。

二人目は 練馬区立石神井台小学校 二川先生

いつもBeYondLaboでお世話になっている二川先生は、「5mと 地域と オンラインと」というテーマで武蔵野市での活動、新任地の練馬での活動、そしてそこからの気づきを共有してくださいました。

武蔵野市ではBeYondLaboでの「学びを楽しむ大人を増やす」「教育と社会の垣根を減らす」という活動の報告と、「ねりま教育100人カイギ」の報告、そして新しい学校での取り組み。

そして、8つのこと。

  1. 「わたし」ができることはなにか
    これから教師に求められる姿。ファシリテーター・アクティブラーナ―・チェンジメーカー
  2. 自分が学校と社会をつなげる「門」になる
  3. 誰も悪くない、責めない
  4. 小さな灯火を消さない 誰もが初めは小さな一歩
  5. 「できない」ということ 力を借りること それがきっと大きな力に
  6. 「だれか」と比べない 自分はほかの人にはなれない
  7. アコーディオン理論 中外・遠近・速遅・開閉 どっちもあるから音が鳴る
  8. 軸足はやっぱり 家庭・学校・地域 半径5m

二川さんにはいつも背中を押される感じがしています。
まずはやってみる大切さ、ひとりで出来なくてもたくさんの人を巻き込んでいくその姿勢が素敵です。

三人目は調布市立多摩川小学校 庄子先生

庄子先生もBeYondLaboでよくお見掛けする先生です。
2月の段階でiPadが一人一台ある環境だったそうで、その活用などの話を聞かせてくださいました。その後、休校を迎えますがそこまでの長期化は予測していなかったそうです。
長引く休校の中学校でのZoomの導入をすすめ、5月にはZoomを使った朝の会を開催できたそうです。Zoomでの朝の会はやはり子供たちの顔を見れたことが良かったとのことです。

朝の会を実行するまでやはり、各家庭での環境の差は話題に上がったそうです。
しかし実際やってみると95%の参加率、欠席は平均1.5人だったそうです。武蔵野市でとったアンケートでもネット環境やデバイスは9割以上は何らかの形で存在していました。まずはやってみてそこからサポートを考える方がやはりスピーディーだなと感じます。

そして「コロナ時代の子どもたちがかわいそうな子だったとは言わせない!」「コロナ時代の子どもたちだから天才がたくさんうまれたと言われる教育を」「コロナだったから学習楽しかった・行事たのしかったと言える学校にしたい」この3つの言葉はとても共感しました。
自分の子どもたちはその世代になります。かわいそうなんて言われるようにしたくない!コロナ時代だったからこそ出来る経験をさせてあげたいと強く思いました。

第二部は12種類のテーマに分かれて

room1 Science×ART これからのクリエイションの場とは 」に参加しました。
新渡戸文化小学校教諭/SOZO.Ed副代表 の山内佑輔さんとサイエンスアーティストの市岡元気さんの部屋です。

とりあえず、二人ともとても楽しそうなのが印象的でした。
コロナを前向きのとらえ、オンラインの活用にもとても積極的。話を聞いているこちらもワクワクしてきます。子供たちにもこうした先生のもと学んでほしいと素直に思えます。

市岡さんの実験キットを事前に送ってZoomをつかってサイエンスショーをするというお話はとてもワクワクしました。武蔵野市でも市が主体でやってくれないかな?
そして、Youtubeの学校実験再生リスト。手軽に出来る実験をまとめたリストです。
これは子供たちとやってみたい!

そして、山内さんが紹介してくださったVIVISTOP
クリエイティブのきっかけが詰まった場所です。一度行ってみたい!
新渡戸文化小学校には今後VIVISTOPが併設されるとのことでとても羨ましい!

「好きをカタチにすることを応援したい」「教科の枠を超えたクリエイティブ」などのワードが印象的でした。
そして、学校はそうしたことのキッカケを半ば強制的かもしれないけど体験できる場所としてやはり大切な場所。そして、大人(教師)が楽しんでいる姿勢は子供たちにダイレクトに伝わるので、大人がまずワクワクすることが大切!

第三部は各Roomの振り返り、そして第四部へ

第三部では各Roomの振り返りを行い、各Roomがどんな感じだったのかを垣間見れました。
中でもRoom3の探求学舎さんのお話は気になりました。
どんな機材でオンライン授業を行っているかなど、オープンにされているそうで、今度見学に行ってみたいなと思いました。
なんせ、三鷹にありますしね。

そして第四部は再度Roomに分かれさらにその中でブレイクアウトルームで少人数でのお話でした。時間もあっという間に過ぎ、そのままお開きとなりました。

「保護者が○○と言っている」という魔法の言葉

今回の参加者の多くは先生たちだったと思います。
先生たちの熱意や思いはとてもダイレクトに感じられ、なかなか学校へ通えていない状態でしたが、とても励みになりました。

どの先生も言っていたように、先生たちはもちろん、校長先生などの管理職の方、教育委員会や自治体の方々など皆さん出来ることをその場でやっている。ということでした。
それぞれの立場でうまく連携出来ないことがあったとしても、みんなこの状況下で頑張っているというのが見えてきました。

現場の先生たちにとって一番の後押しは保護者の声だと感じました。
「保護者が○○と言っている」これは先生たちに行動の理由を与えることのできる魔法の言葉なのかもしれません。

自分たちの愛する子供たちのために、その環境を整えるのは親の仕事だと思います。
学校がとか、先生がとかでなく、親である自分たちも主体的に動いてこの時代の子供たちにステキな学びを与えることが出来るように動いていきたいです。

上澤進介
1999年多摩美術大学美術学部建築学科を卒業後、設計事務所、デザイン事務所をへて、2005年4月フリーランス(屋号「くりぬき」)として独立。2008年6月3日、株式会社まめなり設立。現在に至る。 二児の父。地域活動に関心をもちコミュニティ活動に関わる方々と学びを深めている。